教会向けのサウンドシステム: ホリデーシーズンに備える方法

教会を訪れる礼拝者の数は、ホリデーシーズンに1年のピークを迎えます。そのため、礼拝者数の増加に備えて準備することはどの教会にとっても大変重要です。教会向けのオーディオシステムの調整もその1つです。特にホリデーシーズン中は、マイクやスピーカーシステムの最適な性能を確保し、対面やオンラインを問わず、礼拝の説教や聖歌が明瞭かつ魅力的に再生されるように調整する必要があります。

ここでは、ホリデーシーズンの需要増加に備えてシステムを準備する方法をご紹介します。

カバレージニーズを評価する

通常期と繁忙期では礼拝者数が大きく異なります。そのため、まず確認すべきことは、既存のシステムのカバレージ性能です。つまり、すべての座席に余すことなく均一に音声を届けられる能力を把握する必要があります。すべての席が埋まり、さらに多くの礼拝者であふれる状況を想定して、最も遠くにいる礼拝者から目の前の席まで、明瞭な音声を届けられるかどうかが最優先すべきことです。

音量を上げるだけでは解決しません。大音量は感動をそぎ、不快に感じる人もいます。Bose ShowMatchアレイスピーカーなどの指向性スピーカーの設置がお勧めです。カスタム設定に対応し、非対称のカバレージ設定も可能です。

時期を問わず、または多数が参加するイベントにおいてカバレージが不足する場合は、常設のサウンドソリューションの入れ替えを検討しましょう。たとえば、Bose Professional Panaray MSA12Xは、160°の水平カバレージを誇るデジタル制御によるビームステアリングが可能なコラム式のラインアレイスピーカーです。このスピーカーを導入することで、礼拝の規模や時期を問わず、必要な柔軟性が得られます。 

繁忙期向けのサウンドサポートを設置する

既存の座席配置に新たなエリアを増設する場合、追加のサウンドサポートが必要になります。既存のシステムと互換性があり、カバレージを柔軟に調整できると理想的です。

Bose AMM multipurpose loudspeakerは、設置するだけで既存の使用可能なアンプチャンネルを容易に活用できます。低コストでシステムを補強することができ、必要に応じてカバレージも追加できます。仮設でも常設でも、メイン、モニター、フィル、ディレイのスピーカーとして多彩に設置できます。また、Bose ArenaMatchアレイモジュールとBose AMUユーティリティスピーカーを組み合わせてさまざまなシステムを構成することも簡単にできます。

既存のアンプチャンネルや電源がない場合は、増設したスピーカーに対してアンプとイコライゼーションも追加する必要がありますが、Bose PowerSpaceおよびBose PowerMatchアンプであれば容易に確保できます。

教会のマイクに向かって歌う聖歌隊。

ホリデーシーズンの訪問者増加に備えて教会のサウンドシステムを準備しましょう。

信号ディレイを計算する 

後方の席をカバーするよう設計されたスピーカーでは、補助スピーカーの音がメインスピーカーの音と同期し、追加された席に届くよう、さらなるタイムアライメント(ディレイ)が必要になります。ミリ秒単位で測定されるディレイ量を正確に計算し、システムプロセッサーに値として入力します。

たとえば、メインPAから約84m離れた席をカバーするスピーカーは、244ミリ秒分をディレイさせることで、追加席の位置でも適切なタイミングで音を聞くことができます。数ミリ秒の差は音としては小さなものですが、体感できる音の衝撃はスラップバックディレイから位相ずれまでさまざまです。また、その他のエフェクトも明瞭度を大幅に低下させます。

こうしたケースでは、幅広いディレイ設定が可能なBose Professional Control Space ESP-880Aエンジニアードサウンドプロセッサーがお勧めです。付属のBose ControlSpace Designerソフトウェアは、さまざまな信号処理モジュールを搭載し、タイムアライメントに加え、さらなる微調整が可能です。

低音域をサポートする 

スピーカーの種類も考慮する必要があります。伝統的な聖歌やオーケストラから、現代的なポップやカントリー、ヒップホップまで、さまざまな音楽ジャンルを再生する場合は、低音域をカバーするサブウーファーが必要になるでしょう。

低周波数は無指向性になる傾向があり、音として拡がりやすいため、サブウーファーを追加することでシステム展開における寛容度が大幅に高くなります。ただし、配置には気を配る必要があります。Bose ShowMatch SMS118などのサブウーファーは、グランドスタック(通常はステージ前方下部)にするか、吊り下げるか、またはメインラインアレイとともに取り付けます。空間や部屋の形状も重要な判断要素になります。

屋外での使用を考慮する 

ホリデーシーズンの教会イベントの多くは屋外で開催されるため、よりオープンな自然空間に適したサウンドシステムが必要になります。反射面が少なく、カバーする空間も極めて大きい屋外向けのサウンドシステムは、座っている人、立っている人、動いている人も含めて、あらゆるオーディエンスにサウンドを届ける必要があります。さらに、近隣への音もれや騒音の苦情を避けるために、音量にも配慮する必要があります。

ボーズのポータブルPAシステムBose ArenaMatchスピーカーなどのラインアレイなど、製品の規模に応じて、BoseポイントソーススピーカーBose Professional AMM multipurpose loudspeakerなど)と組み合わせることで、おそらくデッドゾーンをなくし、メインシステムを補強できます。この構成は、温度や湿度、風による音の影響の軽減に必要な柔軟性をもたらす可能性もあります。

ストリーミング向けに補正する 

対面礼拝の機運も高まっていますが、この2年間で日常の光景となったリモート礼拝を選ぶ人々もいまだ数多く存在します。これにより、ITスタッフは、とりわけビデオフィードと合わせる場合、ストリーミングプラットフォーム向けに音声を補正しなくてはならなくなります。

対面でもストリーミングでもシームレスな音声を届けるには、ミキシングボードやBose ControlSpace ESP-880Aエンジニアードサウンドプロセッサーなどのシグナルプロセッサーが必要です。室内音響を組み込んで、信号をモノラルからステレオに変換し、音量レベルを一定に保ち、低質なオンライン体験につながる可能性があるオーディオ信号およびビデオ信号のドラッグを考慮することで、ストリーミングの問題に対処します。

導線をクリアに保つ 

繁忙期に備えたオーディオシステムの準備作業として最もシンプルなのは、音声伝達を妨げるものをできるだけ排除することです。つまり、つまずいたり、車いすに絡まったりしないようにケーブル類や機器を移動しておきます。具体的には、頭上に取り付けたり、ケーブルに保護カバーをかぶせたり、ブラケットで壁やフロアパスに固定するといった方法があります。移動作業中には、すべての構成部品を清掃し、ケーブルにほつれや破損がないか確認しておきましょう。そうすることで、大事なときに不具合が生じるのを防ぐことができます。

魅力的なホリデーシーズンを演出する 

ホリデーシーズンは、教会にとって1年で最も大切な時期であり、信仰を深める機会でもあります。教会にとって、その精神をできるだけ鮮やかさに演出し、全力で伝えることが重要です。ここで重要な役割を果たすのが音響です。そのため、教会向けのサウンドシステムには最高の機器、ソフトウェア、技術を選ぶ必要があります。最高のサウンドシステムを確保することで、ホリデーシーズンの礼拝の質が高まり、さらにこの期間におけるテクノロジーの管理に関するストレスも軽減されます。