通常期と繁忙期では礼拝者数が大きく異なります。そのため、まず確認すべきことは、既存のシステムのカバレージ性能です。つまり、すべての座席に余すことなく均一に音声を届けられる能力を把握する必要があります。すべての席が埋まり、さらに多くの礼拝者であふれる状況を想定して、最も遠くにいる礼拝者から目の前の席まで、明瞭な音声を届けられるかどうかが最優先すべきことです。
音量を上げるだけでは解決しません。大音量は感動をそぎ、不快に感じる人もいます。Bose ShowMatchアレイスピーカーなどの指向性スピーカーの設置がお勧めです。カスタム設定に対応し、非対称のカバレージ設定も可能です。
時期を問わず、または多数が参加するイベントにおいてカバレージが不足する場合は、常設のサウンドソリューションの入れ替えを検討しましょう。たとえば、Bose Professional Panaray MSA12Xは、160°の水平カバレージを誇るデジタル制御によるビームステアリングが可能なコラム式のラインアレイスピーカーです。このスピーカーを導入することで、礼拝の規模や時期を問わず、必要な柔軟性が得られます。
Bose AMM multipurpose loudspeakerは、設置するだけで既存の使用可能なアンプチャンネルを容易に活用できます。低コストでシステムを補強することができ、必要に応じてカバレージも追加できます。仮設でも常設でも、メイン、モニター、フィル、ディレイのスピーカーとして多彩に設置できます。また、Bose ArenaMatchアレイモジュールとBose AMUユーティリティスピーカーを組み合わせてさまざまなシステムを構成することも簡単にできます。
既存のアンプチャンネルや電源がない場合は、増設したスピーカーに対してアンプとイコライゼーションも追加する必要がありますが、Bose PowerSpaceおよびBose PowerMatchアンプであれば容易に確保できます。
後方の席をカバーするよう設計されたスピーカーでは、補助スピーカーの音がメインスピーカーの音と同期し、追加された席に届くよう、さらなるタイムアライメント(ディレイ)が必要になります。ミリ秒単位で測定されるディレイ量を正確に計算し、システムプロセッサーに値として入力します。
たとえば、メインPAから約84m離れた席をカバーするスピーカーは、244ミリ秒分をディレイさせることで、追加席の位置でも適切なタイミングで音を聞くことができます。数ミリ秒の差は音としては小さなものですが、体感できる音の衝撃はスラップバックディレイから位相ずれまでさまざまです。また、その他のエフェクトも明瞭度を大幅に低下させます。
こうしたケースでは、幅広いディレイ設定が可能なBose Professional Control Space ESP-880Aエンジニアードサウンドプロセッサーがお勧めです。付属のBose ControlSpace Designerソフトウェアは、さまざまな信号処理モジュールを搭載し、タイムアライメントに加え、さらなる微調整が可能です。
スピーカーの種類も考慮する必要があります。伝統的な聖歌やオーケストラから、現代的なポップやカントリー、ヒップホップまで、さまざまな音楽ジャンルを再生する場合は、低音域をカバーするサブウーファーが必要になるでしょう。
低周波数は無指向性になる傾向があり、音として拡がりやすいため、サブウーファーを追加することでシステム展開における寛容度が大幅に高くなります。ただし、配置には気を配る必要があります。Bose ShowMatch SMS118などのサブウーファーは、グランドスタック(通常はステージ前方下部)にするか、吊り下げるか、またはメインラインアレイとともに取り付けます。空間や部屋の形状も重要な判断要素になります。
ホリデーシーズンの教会イベントの多くは屋外で開催されるため、よりオープンな自然空間に適したサウンドシステムが必要になります。反射面が少なく、カバーする空間も極めて大きい屋外向けのサウンドシステムは、座っている人、立っている人、動いている人も含めて、あらゆるオーディエンスにサウンドを届ける必要があります。さらに、近隣への音もれや騒音の苦情を避けるために、音量にも配慮する必要があります。
ボーズのポータブルPAシステムやBose ArenaMatchスピーカーなどのラインアレイなど、製品の規模に応じて、Boseポイントソーススピーカー(Bose Professional AMM multipurpose loudspeakerなど)と組み合わせることで、おそらくデッドゾーンをなくし、メインシステムを補強できます。この構成は、温度や湿度、風による音の影響の軽減に必要な柔軟性をもたらす可能性もあります。
対面礼拝の機運も高まっていますが、この2年間で日常の光景となったリモート礼拝を選ぶ人々もいまだ数多く存在します。これにより、ITスタッフは、とりわけビデオフィードと合わせる場合、ストリーミングプラットフォーム向けに音声を補正しなくてはならなくなります。
対面でもストリーミングでもシームレスな音声を届けるには、ミキシングボードやBose ControlSpace ESP-880Aエンジニアードサウンドプロセッサーなどのシグナルプロセッサーが必要です。室内音響を組み込んで、信号をモノラルからステレオに変換し、音量レベルを一定に保ち、低質なオンライン体験につながる可能性があるオーディオ信号およびビデオ信号のドラッグを考慮することで、ストリーミングの問題に対処します。