近年のリモートワークの増加や、また多くの業界でハイブリッドワークが浸透してきたことで、ITスタッフも他スタッフと同様にリモートワークを選択するようになっています。しかし、働く場所がオフィスであろうとリモートであろうと対応しなければならない課題は変わらず、場合によってはこれまで以上に困難になることも課題の一つです。
もう一つの課題は、ITスタッフの負荷です。今抱えている大きな仕事量に加え、サイバー攻撃の脅威や急増するデータニーズ、組織のデジタル移行などに対応できる新たなスキルが求められるようになってきています。ただでさえ多忙なITスタッフがスキルアップのための講習を受ける時間を確保するのは不可能なようにも思えますが、こうしたスキルは不可欠であり、適切な知識がなければ、ITスタッフのストレスはさらに大きくなります。例えば、デジタル移行の目標達成やクラウドコンピューティングのメリット活用はおろか、導入スケジュールを守るだけでも苦労するでしょう。新しいテクノロジーを導入するための専門知識は、競争優位性の獲得に極めて重要です。
ITスタッフの人数が限られている場合は、自動化の方法を検討しましょう。特にサイバーセキュリティ関連において自動化は有効な手段です。例えば、アナリストがダッシュボード上の警告をすべて把握し、それが組織のアプリケーションやデータに対して脅威となるかどうかを逐一判断するのは現実的ではありません。サイバーセキュリティ管理のためには、社内ITスタッフが適切な監視を行いつつ、セキュリティ運用センターをセキュリティ管理サービスプロバイダーへアウトソーシングすることが必要かもしれません。
また、戦略的なアウトソーシングはテクノロジーの最大活用に大いに役立ちます。例えば、リモート社員がアプリケーションに問題が起きた等、エンドユーザー関連のサポートは部分的にアウトソーシングするのも一案です。そうすることで、社内ITスタッフの負担を減らすことができます。さらに、多くのオンプレミス・アプリケーションをクラウドサービスプロバイダーに移行することで、職場のテクノロジー管理に費やす時間を節約し、社内で専門知識を有する必要がなくなります。
どのIT機能をアウトソーシングするか、どのアプリケーションをクラウドサービスプロバイダーにするかを決めた上で、自社に必要なスキルや社内知識を判断します。こうして精査することで、ビジネスリーダーはより戦略的に予算を組み、全体的な生産性を向上させることができるのです。
また、ITスタッフや従業員の生産性は、働く場所に関係なく適切なコラボレーションツールや会議ツールによって向上させることができます。こうしたツールには、ハイブリッドワークをサポートし、オンサイトの会議室と離れた場所の間でシームレスなやり取りを実現するビデオ会議やコラボレーションソフトウェアなどがあります。