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複数の拠点とリモートワーカーを抱える組織のための戦略

自宅から同僚との電話会議に参加する女性。

複数の拠点で働くリモートワーカーのコラボレーションを支援するIT担当者は、複雑な課題に直面します。

次の点を評価してコラボレーションの課題を解決:

  • テクニカルサポートのプロセスとポリシー 
  • ベンダーとの関係 

ネットワーク管理の

  • ITスキルとスタッフ 
  • コラボレーションツールを使ったスタッフのサポート

リモートワーカーと複数のオフィスを擁する組織で有意義なコラボレーションを実現する場合、IT担当者と設備担当者は難題を抱えることになります。組織のニーズに合わせて適切なコラボレーションテクノロジーを選択するだけでなく、そのテクノロジーをすべての拠点に確実に導入するための適切なスキルとベンダーリソースも確保する必要があるからです。

ここでは、組織のIT担当者と設備担当者がこうした環境でコラボレーションを実現するために必要な要素を紹介します。

マルチオフィスコラボレーションのためのITと設備の要件

複数の拠点とリモートワーカー全体でコラボレーションを実現しなければならないIT担当者は、1つのオフィスのみを管理するよりもはるかに複雑な課題に取り組むことになります。そのためには、適切なスキルと人材配置、サポートプロセス、ベンダーとの関係が必要になります。

スキルと人材配置

IT担当者は、複数の拠点とリモートワーカーで構成される組織のコラボレーションニーズを満たすスキルがチームにあるかどうかを客観的に評価する必要があります。1つのオフィスの管理では十分なスキルでも、複数拠点の管理では機能しない場合があります。例えば、組織のITチームに十分な社内ネットワーク管理スキルがない場合、新規雇用やトレーニング、あるいはベンダーとのパートナーシップを通じてそのスキルを確保しなければなりません。

ビデオ会議テクノロジーは、ネットワーク帯域幅のリソースを大量に消費する傾向があります。特に2つ以上の拠点をリンクする広域ネットワーク(WAN)接続では、遅延やタイムラグが発生するとビデオと音声接続のいずれも影響を受けます。この問題が発生すると、コラボレーションが徐々に停滞してしまいます。ITチームがビデオまたは音声会議に影響するネットワークパフォーマンス問題の根本原因を迅速に特定できなければ、組織で生産的な会議やコラボレーションセッションの維持が困難になります。

ITチームと設備チームは、地理的に分散した従業員からリクエストされるコラボレーション関連のサポートニーズに確実に対応するために、適切な規模を確保する必要もあります。従来型の他のオフィス拠点や自宅で働く同僚は、生産的なバーチャルまたはハイブリッド会議の実施方法や大会議室でも音声を明瞭に聞こえるよう調整する方法について有効な答えを求めてきます。こうした理由から、IT担当者と設備担当者は、適切なレベルのサポートを提供できるようにチームを構成しなければなりません。

自宅からノートPCを使用して同僚との電話会議に参加する女性。

複数の拠点とリモートワーカーを抱える組織は、適切なテクノロジーを導入することがコラボレーションとつながりを可能にする鍵になります。

サポートプロセス

リモートワークには孤立感があり、寂しさを感じることもあるでしょう。コラボレーションツールは、このギャップを埋め、複数の拠点に分散した従業員に組織とのつながりを感じさせることができます。と同時に、ITチームと設備チームは複数の拠点から入るリクエスト数の増加に最初は苦労するかもしれません。

タイムゾーンの異なる地域のオフィスや自宅オフィスの社員が社外関係者との重要なZoom会議を設定する場合、社員は問い合わせに対する回答を得られる時間帯を把握しておく必要があります。IT部門と設備部門がこうしたリクエストをどのような順序で対応するか書面にまとめて全拠点のスタッフがこの情報をすばやく簡単に参照できるようにしておくと、彼らの期待をマネージすることができ効果的です。さらに、セルフヘルプリソースを提供し、コラボレーションテクノロジーの使用方法についてスタッフをトレーニングすることで、ITと設備の担当者は、リモートワーカーがコラボレーションツールを確実に使用できるようにサポートできます。その結果、技術的なサポートや設備関連のサポートニーズが減ります。

ベンダーとの関係

ITチームと設備チームがベンダーとの強力な関係を駆使して、複数拠点のコラボレーションを実現するシナリオもあります。このシナリオでは、通信サービスプロバイダー(または複数のプロバイダー。各拠点で提供されるインターネットサービスにより異なります)との良好な関係と、満たすべきネットワークパフォーマンス基準を明確に指定したサービスレベル契約が重要になります。

同様に、クラウドベースのユニファイドコミュニケーションソフトウェアや会議ソリューションなど、組織のコラボレーションテクノロジーを提供するすべてのベンダーと良好な関係と信頼を築くことも重要です。ITチームと設備チームが各地域のサービスプロバイダーと提携し、オンサイトサポートを委託するケースもあります。

複数の拠点に対応するリモートコラボレーションソリューション

複数の拠点を抱える組織は、多くの場合、ユニファイドコミュニケーションソフトウェアを使用して社内コラボレーションをサポートしています。こうしたソリューションには、音声会議やビデオ会議、メッセージ、ウェビナーなどの機能が含まれています。これらのソリューションをオフィス生産性向上スイートや顧客関係管理ソフトウェアと統合することで、生産性を改善し、同僚、クライアント、見込み客とのコミュニケーションを強化します。また、こうしたツールにデスクトップアプリやモバイルアプリからもアクセスすることで、あらゆる拠点の従業員はオフィスや外出先で効果的に作業できます。

また、特定のオフィススペース向けに設計された会議ソリューションもあります。完全に統合された会議室システムは、オフィス勤務の従業員が大規模な会議で効果的に同僚とコラボレーションできるようサポートします。一方、ハドルルームソリューションは、小規模なチームをつないで特定のプロジェクトでの連携を可能にします。

こうした会議ソリューションは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなど、従業員が社外のビジネスパートナーやクライアントとのやり取りに使用する一般的なプラットフォームと統合することもできます。さまざまなコラボレーションツールに柔軟にアクセスできることで、組織はリクエストに対して迅速に反応し、最適なプラットフォームで対応できるようになります。

複数の拠点をつなげるベストプラクティス

複数の拠点をつなげることは、見た目よりはるかに難しい作業です。1つの拠点であれば比較的単純な作業ですが、WANをまたいで複数の拠点をつなごうとすると複雑な作業になります。IT担当者は、組織全体でのコラボレーションをサポートするために必要なネットワークパフォーマンスをどのように確保するかについて事前に定義する必要があります。この定義には、さまざまなネットワークトラフィックタイプの総体的な優先順位を決定するサービス品質(QoS)設定も含まれます。

例えば、ビデオおよび音声会議のトラフィックには、帯域幅を消費し、遅延の影響を受けやすい特性があります。そのため、非同期的で同様のパフォーマンス問題の影響を受けにくいEメールより、高い優先度を設定する必要があります。多くのITリーダーは、ソフトウェア定義WAN(SD-WAN)テクノロジーを使用して、プライベートWANを作成し、複数の拠点全体にQoSを反映しています。SD-WANには、他にも効果的なリモート管理機能やビジネス継続のための機能があります。

ネットワークモニタリングや分析ツールも、会議やコラボレーションをサポートするネットワークパフォーマンスを確保するために不可欠です。また、通信プロバイダーがSLAに従っているかを検証することもできます。IT担当者は、組織のすべての拠点のネットワークパフォーマンスを独立してモニタリングする方法を事前に考慮する必要があります。

リモートワーカーのコラボレーションを実現

現在、効果的なコラボレーションがかつてないほど重視されていますが、複数の拠点を抱える組織でそれを実現するには複雑な作業が必要になります。このことを念頭に、IT担当者と設備担当者はコラボレーションソリューションを導入する前に妥当性を評価する必要があります。テクノロジー、スキル、ベンダーとの関係を適切に組み合わせることで、複数の拠点とバーチャル環境全体で効果的なコラボレーションを実現するためのすべての要素を得ることができるのです。