導入事例 – 礼拝施設 |

プトラモスク

概要

プロジェクトについて

どんな礼拝所にもそれぞれの個性があります。プトラモスクも例外ではありません。世界でも数少ないピンク色のモスクで、バラ色の御影石で覆われた印象的な外観で高さ約115メートルのミナレット(尖塔)は、この地域では最も高い建造物の一つです。

マレーシアの首都クアラルンプール近郊のプトラジャヤに位置するこのモスクには、マレーと中東の伝統的な建築様式をかけ合わせたデザインになっています。2年にわたる工期を経て1999年にオープンしたメインのマスジド(礼拝堂)は2階建てで、一度に15,000人以上の礼拝者を収容できます。マレーシア国内のイスラム教徒コミュニティにとっての宗教的価値に加え、プトラモスクには国家的な重要性もあります。マレーシアの首相官邸があるプルダナプトラに隣接し、モスク前の大きな広場にはマレーシア国旗と各州の旗が掲げられています。

モスク内のドーム

Bose Professionalのソリューション

ため息の出るような美しさのモスクですが、一方で、他の礼拝施設と同様の深刻な課題を抱えていました。スピーチの明瞭度の低さ、サウンドカバレージのばらつき、サウンドシステムの使いづらさ、といった複数の問題を解決する必要があったのです。ドーム型建築では不可避である残響の多い音響環境や、適切に設計されていないPAシステムが原因で、スピーチの音質が損なわれていました。実際このモスクでは20年以上にわたって3つ以上のメーカーのサウンドシステムを導入してきましたが、なかなかモスクのニーズを満たすものはありませんでした。それだけでなく、これらの非効率的なサウンドシステムが原因で、システムの運用やメンテナンスの煩雑化といった別の問題を引き起こしていたのです。

クアラルンプールを拠点にモスクのシステムを専用に扱うAcousticon社の創業者であり、テクニカルディレクターを務めるアジジ・アラ氏は「モスクの最大の課題は、空間の残響です」と話します。同社は、プトラモスクの音響的欠陥を評価・修正するプロジェクトを受注しました。アジジ・アラ氏が実施した現地の音響テストでは、2.5秒以上の残響があることがわかりました。モスクの美観を損なうような構造物や吸音材を使わずに、この環境を改善する必要がありました。アラ氏は次のように続けます。「課題視されがちなのはドーム部分ですが、建物の内観の表面が硬質であること、礼拝エリアは広く多くの柱があることなども、メインの礼拝堂全体で音の指向性が不均一になる理由です」

Acousticon社のモスクに関する音響知識と、Bose Professionalの革新的なオーディオテクノロジーソリューションにより、モスクの音響的なニーズを入念かつ繊細に評価しました。アラ氏率いるプロジェクトチームは、デジタル制御によるビームステアリングが可能なBose Panaray MSA12Xスピーカーが、正確な指向性制御の実現に最適であると判断しました。まず、Bose Modeler音響シュミレーションソフトウェアでスピーカーシステムの様々なデザインや配置の3Dシミュレーションを行い、次にBose Auditioner可聴化システムで、シミュレーションした空間の音を仮想的に「聴いて」いきました。

Bose Modelerソフトウェアの高度なアルゴリズムにより、直接音と反射音のエネルギーを含む空間の音響性能の予測や、STI(音声の明瞭度指標)の測定が可能になります。デザイナーは、Modeler独自の計算パイプラインで様々なスピーカー構成や配置をテストし、最適なカバレージや最大音圧レベル、明瞭度を予測することができます。また、Modelerは、標準のCADソフトウェアからモデルデータをインポートして、モデルの音響性能を実在空間での性能とマッチングさせることができます。さらに、複雑なスピーカーアレイの作成と配置を自動化するアレイ構成ツールも搭載されています。

礼拝堂
プトラモスクの御影石のドーム

MSA12Xは、ボーズ独自のアーティキュレイテッドアレイトランスデューサー方式により、空間全体をカバーするワイドな160°の水平カバレージを実現し、モジュラー方式のデザインで1~3台のユニットを垂直にアレイ構成できます。また、空間のビジュアルを損なわないスリムなデザインが採用されています。さらに、MSA12Xスピーカーは、Acousticon社がプロジェクトの一環として導入したDanteにも対応しています。モスク内部には、4本の大きな柱に合計10台のMSA12Xスピーカーが設置されました。

新しいオーディオシステムは予測どおりの性能を発揮し、モスクの建築にうまく溶け込んでいます。さらに、もう一つ解決すべき「使いやすさ」の課題があります。Acousticon社は、使いやすいQSC Q-SYSインターフェースをプログラムしました。これにより、12.9インチiPadを使用して、Bose Panarayサウンドシステムを直感的に操作できるようになります。基本的なシステムのオン/オフや音量調整だけでなく、特定のゾーンを指定して音を出したり、礼拝や季節の祝典など特定のアクティビティに合わせたプリセットも用意されています。さらにアラ氏は、モスクのイマーム(指導者)やムアッジン(勤行時報係)がそれぞれに適切なオーディオゾーンを有効にできるよう、直感的なGUIディスプレイアイコンを設定しました。

プロジェクトの成果は、モスクの指導者たちの期待をはるかに上回るものとなりました。メインの礼拝場や座席エリア全体だけでなく、バルコニーの下など従来では難しかったエリアまで、スピーチの明瞭さが大幅に向上しています。「MSA12Xスピーカーのアーティキュレイテッドアレイ方式により、非常にワイドな水平放射を十分な距離まで届けることができます。音量が損なわれることもありません」とアラ氏は述べています。

プトラモスクは、マレーシアを代表する礼拝施設の1つです。Bose Professionalのテクノロジーと、彼らの「パートナーが素晴らしいオーディオ体験を構築できるようにする」という約束のおかげで、モスクはその名声にふさわしいサウンドを手に入れることができたのです。

「MSA12Xスピーカーのアーティキュレイテッドアレイ方式により、非常にワイドな水平放射を十分な距離まで届けることができます。音量が損なわれることもありません」

 — アジジ・アラ氏
創業者、テクニカルディレクター
Acousticon

Acousticonロゴ

パートナー: Acousticon

マレーシアの首都クアラルンプールを拠点とする、オーディオビジュアルソリューションに特化した企業です。システムデザインからコンサルティング、機器の設置、テスト、調整に至るまで、包括的なプロジェクトに力を入れています。

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