概要
RASは、シドニーを拠点とする施工業者のThe P.A. People社に、新しいPAシステムの設計と施工を依頼しました。最初のタスクは、性能条件と、既存のグランドスタンドの屋根の構造負荷要件の両方を満たす、場内の音響モデルの構築とサウンドシステムの初期設計でした。The P.A. People社は、スタジアムに理想的なスピーカーシステムとして、Bose ArenaMatchを選定しました。ArenaMatchは、ボーズの最新世代の定曲率ラインアレイスピーカーです。2019年2月にリリースされたこのスピーカーは、屋外での使用に適したIP等級の高性能システムです。ローインピーダンスまたは100 Vラインモードで駆動でき、バイアンプ構成も可能です。
各クラスターは、特別にカスタムしたブラケットから吊り下げて設置されています。このブラケットは、メンテナンスの際にシステムを下ろせるように設計されており、ブームリフトなどのアクセスのための機材を使う必要がなくなります。このブラケットの設計・製作は、The P.A. People社が行いましたが、屋根が2つの軸でカーブしており、各アレイクラスターの設置角度がわずかに異なるため、簡単な作業ではありませんでした。
ArenaMatch AM40スピーカーの(55 Hzまでの)低域性能ではサブウーファーの設置は必要ありませんが、T20の開会式イベントでの「Let’s Dance」のテーマでは、さらなるローエンドが必要になりました。このために、同社は、10台の「ボーズカート」をグランドスタンドの前方に配置して、設置済のArenaMatchシステムを補強しました。各カートは、3基をスタックしたBose ShowMatchアレイと18インチShowMatchサブウーファー2基によって構成され、Linea Researchのアンプで駆動されます。カートの間のインフィルには、傾けて設置できるフレームを取り付けたBose LT9702スピーカーを使用しました。