概要
高級老人ホーム“ヴォーンシュティフト・アム・ティーアガルテン”は、1972年にニュルンベルクの東側、ローレンツァー・ライヒスヴァルト自然保護区とニュルンベルク動物園にほど近い、のどかな郊外に設立されました。当初のコンセプトは、入居者が自立した生活を送ることができるように、娯楽や福祉サービスを充実させた高齢者向け住宅を作ることでした。
現在、ヴォーンシュティフト・アム・ティーアガルテンでは、約700人の居住者が高級アパートメントで暮らしています。同ホームの文化交流の中心を担うのは400席のコンサートホールで、居住者と地元の住民にとって、ヴォーンシュティフトでの生活の一部になっています。2019年10月、約3.7億円の改修工事を経てコンサートホールがリニューアルオープン。ヴォーンシュティフトは他に類を見ない高齢者向けの住宅施設へと生まれまわりました。同ホールでは、コンサートはもちろん、ダンス、演劇、映画上映会、講演会、プレゼンなど、高齢者向け住宅に併設されたコンサートホールとしては異例の規模で多彩なエンターテイメントを提供しています。
設定された基準を満たすオーディオソリューションを提供するにあたって、独自の文化的な魅力を妨げないように設置することが最も重要な課題でした。AVシステムの設計は、企画コンサルティング事務所・Soniek.com社によって設計管轄され、Bose Professional販売店・MEDIA|tek|gmbh®社が施工しました。上質で自然なオーディオ体験を保証するために、メディアテクノロジーには誘導ヒアリングループによる音響補強と、ステージ用の照明ソリューションが採用されています。また、多彩なパフォーマンスに対応するために必要な柔軟性も提供しています。適切に設計された使いやすいグラフィカルユーザーインターフェースを使用して、メディアコントロールシステムからの操作が可能です。合計50台のBose Professionalスピーカーがロビーとホール全体に設置されており、大半はインテリアデザインに完全に溶け込んでいるためほとんど目立ちません。
ホールで確認できるスピーカーは、ステージカーテンの前にある2つのコラムユニットだけです。縦6メートルのこの電源内蔵のデジタルビームステアリングスピーカーは、驚くほど明瞭なボーカルと均一の音質を実現します。そのうちの3台はサウンドアクティブ、他の3台はパッシブ(電源なし)です。パッシブ型Bose Professional Panaray MSA12Xスピーカーのうちの1台は、多様な接続オプションを備えたステージボックスに改造してあります。ビームステアリング機能により、両スタックはコンサートホール全体に均一なカバレージを提供。リニアなフルレンジパフォーマンスと、正確な直接音のコントロールにより直接音と残響音の比率を改善することで、最高の明瞭度を実現しています。オーディオシステムを改修する前は、音質の良い限られた数の座席をめぐって、来場者が競い合うことがよくありました。最新のボーズソリューションは、ホールにいるだれもが充実したリスニング体験を楽しむことができます。音響的にも建築的にも、このコンサートホールとロビーは、音響効果とビジュアルデザインの傑作です。関係者全員が協力することが重要であり、そのことが驚くべき結果をもたらしました。