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導入事例 – 教育施設 | チリ大学

概要

プロジェクトについて

チリのサンティアゴにあるチリ大学は、1842年に創設された国内最古の高等教育機関で、教育、研究、創造、地域支援活動で知られるチリの大学システムで最高峰に位置する名門校です。中南米の最も重要な大学第8位という高い評価を受け、卒業生の中から21人のチリ大統領と2人のノーベル賞受賞者を輩出しています。

43,000人を超える学生を擁するチリ大学は、5つのキャンパスに14の学部と5つの学際機関を持ち、サンティアゴおよびチリのその他地域に複数の実験拠点を構えています。また、IT領域担当の副学長が任命された初めての大学でもあり、より高いレベルから技術的な意思決定を下す体制を実現しています。IT担当の副学長に関連する部門の中に「オンライン教育部」があります。この部門は、学内の学部と組織すべてを対象とするオンライン教育のプロジェクトを統括しています。

Bose Professionalのソリューション

2020年の半ば、世界中がパンデミックの渦中にあった非常に困難な時期に、チリ大学はハイブリッド教室のアプローチを構築し、導入していくことを決定しました。大学が望んでいたのは、移動制限が緩和されて屋内での集まりが許可され、学生と教職員が教室に戻れるようになったときのために、最良の授業と学習を経験できる環境を準備しておくことでした。状況が完全に元どおりになるとしても、段階的に緩和されていくとしても、どちらの状況にも対応できる環境の構築を目指していました。

このプロジェクトはIT担当副学長とオンライン教育部に託されました。ハイブリッド教室のプロジェクトに何が必要とされているのかを明確に把握するため、オンライン教育部は学内の各学部の要求事項を評価しました。5つのキャンパスにある建物それぞれの教室の構造的側面と採光条件を分析し、学部長、教授陣、学生たちに教室内の音の違いや変化についてインタビューを実施しました。

同時に、IT担当副学長は学術的観点から、ハイブリッド教室が最も有益にうまく機能すると考えられる学部と組織を抽出しました。それぞれの空間に特有の課題があるという状況を考えれば、教室や講堂から実験室まで、すべての学習空間に共通化されたソリューションを導入しても機能しないだろうという結論に至りました。

チリ大学

「標準的な汎用ソリューションを設置するだけでは、大学全体の様々な空間にうまく対応できないことがわかりました。構造上の特性がそれぞれの空間で異なっていたからです」と話すのは、チリ大学オンライン教育部のプロジェクトマネージャーを務めるダリオ・リケルメ・ゾーナウ氏です。「音響も照明も整った最新の教室もいくつかありますが、数十年前に建設された建物もあり、それぞれの条件は大きく異なります」

チリ大学にとって、特定の標準化されたソリューションは解決策ではありませんでした。大学が選んだのは、テクノロジーインテグレーターのTecnomove社とハイブリッド教室に向けたソリューションを構築することでした。

大学全体を対象とした技術プロジェクトの道筋を決めるのはIT担当副学長ですが、導入のペースと予算配分はそれぞれの学部が決めているため、統合プロジェクト全体は一層複雑化しています。

Tecnomove社はゾーナウ氏とオンライン教育部から提示されたアイデアを活用し、各学部に向けて複数のソリューションモデルを設計しました。何度もテストを実施して、いろいろなメーカーの会議用機器の性能を評価したのち、Tecnomove社はハイブリッド教室のプロジェクトを基本、中級、上級という3つのソリューションモデルに分けました。

最も端的で明白なユーザーエクスペリエンスを教授陣に提供するために、上級ハイブリッド教室には迅速なセットアップが必要でした。セットアップが容易になれば、教授たちは授業を即座に開始でき、ホワイトボードに文字を書く授業でも、プレゼンテーションやビデオを配布する授業でも、学生たちと対面とリモートの両方でやり取りをしながら進めることが可能になります。

「授業スタイルを把握するために教授陣と話をして、ホワイトボードやプロジェクターを使いながら教室内をどのように動き回るか見せてもらうよう頼みました」とゾーナウ氏は語ります。「学生たちにも、対面とリモートの両方で授業にどのように参加しているのかについてヒアリングしました」

チリ大学

ゾーナウ氏とチームのメンバーは、このカスタマイズされた他に例を見ないプロジェクトに採用する機器は、Bose Professional以外にないと考えていました。結果として生まれたソリューションは、70台を超えるBose Videobar VB1オールインワンUSB会議デバイス、ホワイトボードの画像を同時に取り込むKaptivoカメラシステム、授業の各セッション開始と機器の制御に使われるLenovo ThinkSmart Hubで構成されます。

大部分の教室と講義ホールでは、移動式カートに乗った液晶モニターの隣にVideobar VB1が設置され、授業の音の変化に適応する柔軟性を提供しています。Kaptivoカメラは部屋の前方に配置され、Lenovo ThinkSmart Hubは操作しやすいよう、教授のデスクの上に置かれています。

このハイブリッド教室のセットアップは、オンライン教育部の要件に応えるものです。その目標とは、ソリューションを統合することで、複数のケーブルを使って接続する必要のない、すっきりとした設置を実現することです。接続が複雑になると、そこから障害が発生する可能性があります。また、合理化された直感的な操作も目指すところです。

「Bose Videobar VB1の性能には非常に満足しています」と話すのは、チリにあるBose Professionalソリューションの代理店、MMT社のプロフェッショナルAVスペシャリストであるクリスチャン・ナバレッテ氏です。「このコラボレーションに参加できて大変光栄です。チリ大学の要求にも応えることができています」

ハイブリッドの概念では、教授たちが快適かつ円滑に授業を進め、話をしながら自然に動き回れることも要求されます。Bose VB1で採用されている6つのビームステアリングマイクにより、教授陣は授業に集中できるようになります。機器がきちんと動いているか、学生たち全員に声が聞こえているかを気にする必要はありません。

フェアモント・ウィンザー・パーク・ホテルのラウンジ

Tecnomove社は、マイクの集音領域を教室ごとに調整して取り込む音声の精度を高め、室内や屋外から聴こえる自然の環境音を拾わないように設定しています。

機器のオーディオ品質もハイブリッド教室にBose VB1がもたらすメリットの1つです。リモートで授業に参加する学生の側からも、教授や対面で参加している学生が聞き取れるよう、クリアで明瞭な音声を届ける必要があります。リモート参加者の音声の聞き取りやすさは大変重要です。音がクリアに伝われば、教授は学生たちの集中力と注意を維持しながら、全員と関わり合うことができるようになります。

Bose VB1の4K対応ウルトラHDカメラはセットアップが簡単なオートフレーミングに対応しているため、プレゼンターやホワイトボード、フリップチャート、その他の室内の状況を全員が明瞭に見て理解することができ、まるで同じ部屋にいるような体験が実現します。

チリ大学は、こうした大規模なコラボレーションシステムを教室、講義ホール、小規模講堂に導入したことで、Bose Professionalのソリューションを活用して卓越した学習環境を構築したとして、その評判を高めています。現在、授業は通常スケジュールに従って行われています。また、教授が教室から参加することができない場合でも授業は開講されています。学生は授業に対面で参加するか、リモートで参加するかを選択できるようになっています。

「テクノロジーは教室の主役ではありません。主役は当然のことながら、教授と学生たちです」とゾーナウ氏は付け加えます。

Bose VB1の上質なオーディオと高画質な映像は記録にも理想的で、オンデマンドライブラリーの作成に役立ちます。そうしたライブラリーで教授陣はファイルを編集し、授業の要約を収めた短いビデオを作成できます。そうすれば学生たちが出席できなかった授業を視聴したり、必要に応じてトピックを見直したりすることができるようになります。

ゾーナウ氏の説明によると、ハイブリッド教室のプロジェクトに対する投資は世界的なパンデミックによって生じたニーズに対処するものではありましたが、これは一時的なプロジェクトではなく、学究的戦略の一環として大学内で進行している新たな教育アプローチとなっています。ハイブリッドな教育アプローチの次のステップは、大学院のコースを評価して教育機会を拡大するとともに、チリ国内や海外からも学生を受け入れ、他の大学から教授をゲストとして招く機会を作っていくことです。

「ハイブリッド教室の導入により、教授陣はテクノロジーを積極的に採用するようになっています」とゾーナウ氏は話します。「多くの教授が新たな教授法の模索に意欲をかき立てられ、自分たちのコースをより興味深く魅力的なものにするための新たなチャンスを見いだし始めています」

ハイブリッド教室のプロジェクトには大学のコミュニティ全体が関わったため、大学の学習曲線や新しいテクノロジーの使い勝手がその採用の大きな障害となることはありませんでした。各学部でITとAVのシステムを担当するテクノロジーチームが統合プロセスに参加して、刺激を受けながらテクノロジーを学び、毎日の授業に取り入れ始めています。

「オンライン教育チームが要求する汎用性に対応してそのニーズを解決できただけでなく、プロジェクトの進行とともに変化していったニーズにも適応できています」と話すのは、Tecnomove社のセールスマネージャーを務めるキャロル・ノチェス氏です。「チリ大学とのコラボレーションは当社にとって光栄なことです。こうしたソリューションが与える影響は単にテクノロジーの導入だけにとどまりません。私たちは我が国の若者たちの教育に寄与していると自負しています」

チリ大学

「Bose Videobar VB1の性能には非常に満足しています。このコラボレーションに参加できて大変光栄です。チリ大学の要求にも応えることができています」

— クリスチャン・ナバレッテ氏
 MMT社 プロフェッショナルAVスペシャリスト

インテグレーター: Tecnomove

Tecnomove社はチリのテクノロジーソリューションインテグレーターです。顧客にオーダーメイドのテクノロジーソリューションを提供し、最高レベルの品質を誇るサービス、コミットメント、専門的技術の向上に全力で取り組んでいます。

Tecnomoveロゴ
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代理店: MMT

MMT社は、プロフェッショナル用途のオーディオビジュアルソリューションに特化した企業です。チリのサンティアゴに本社を構えており、同社のオフィスとショールームでは、インテグレーター各社にプロフェッショナル向けのオーディオビジュアルソリューションを体験する機会を提供しています。

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